ISBN:4592174410 コミック 成田 美名子 白泉社 2003/07/05 ¥410

 連載当初から読んでいる大好きな「お能」漫画の第一巻です。『メロディ』にて隔月連載な為なかなかお話がすすみませんが、丁寧な取材と細部まで書き込まれた装束のことを考えれば十分納得できます。


・「鬼の栖(おにのすみか)」
 主人公の榊原憲人(さかきばらのりと)は能楽師の内弟子修行中。しかし、稽古場(お舞台)に向かう途中の電車で痴漢に間違われてしまいます。身に覚えの無い憲人(※注;本名は「のりと」だが家族も含め「けんと」と呼ぶ)は裁判で争う決意をしますが、そうなれば長く舞台を離れなければならないことに…。

・「星霜を髪に戴き(せいぞうをかみにいただき)」
 憲人の師であり祖父である相葉左右十郎(あいばそうじゅうろう)先生のもとに、茶髪の高校生が見学にやって来ます。彼の名前は森澤楽(もりさわがく)。子方以来長らく舞台を離れていたものの、初面に向けて左右先生に稽古をつけてもらう為に上京してきたのでした。楽の茶髪は天然なのですが、染めるべきか否か人々の間で意見が分かれます。楽は初め、染めたくないと言っていたのですが…。

・「お能の国の人だから」
 春、楽も連雀能舞台に住み込みの内弟子として入ることになりました。憲人は兄弟子です。春は能会の多い時期なのですが、病気で一人欠員がでることに。埋め合わせのために忙しく立ち回る憲人も足に怪我をしてしまい…。


 私が今、大学で能楽部に入ってお仕舞を習っているのも、この漫画のおかげです。興味はあってもいま一歩が踏み出せなかった私の背中を押してくれたのが、この『花よりも花の如く』でした。結果、私はお能の世界を外から見るより先に内から見ることになってしまったのですが、それもまた良い経験になったかと思います。皆様も是非、この漫画を読んでみてください。そして、生のお舞台を観に行ってみてください。(チケットは、学生券二千円、一般三千円くらいからありますよ)

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