美的感覚というエゴイズム
2006年5月20日 思うトコロ 本日、片道2時間かけて山奥の美術館に行って参りました。「どうしても見たい作品がそこに来てるから」とか「常設展にイイ物があるから」という訳ではありません。博物館概論の講義で必要だったからです。まぁ、課外授業といいますか…実地で見て体験しよう!みたいなものです。講師をしてくださっている先生がそこの学芸員さんなので、入館料は無料でした。おまけにバックヤードに入らせて貰って、色々見聞させていただきました。しかしですね、最寄り駅から50分山道を揺られて来たバスの運賃が800円だと知った時は心臓が止まるかと思いましたよ。往復で1600円、自腹です。勿論、最寄り駅までの交通費もかかります。お弁当持参してよかった…。洒落たレストランや喫茶スペースもありましたが、お値段が高かったので学生さんにはちと苦しかったですね。
このミュージアム、山の中にあるだけあって緑が綺麗。おまけに建物や従業員の対応がホテル風。まず駐車場に着くと、整備員のお兄さんが丁寧に誘導してくれます。駐車場から少し石段を上がるとレセプション棟とかいう建物があって、そこにはレストランやショップがあり、そこでチケットを売っていました。レセプション棟のロータリーから伸びる、新緑の枝垂桜に囲まれた一本道を電気自動車に乗せられて(徒歩でも行けます)進み、トンネルを抜け、半吊橋を渡るとようやく美術館棟が見えます。なかなか景色の素晴らしい所です。この間、電気自動車を運転していたお姉さんに「お客様」と呼ばれひどく違和感を感じました。加えて、今日が休日だということを差し引いても多い入館者数にはびっくり。通常の人が抱いているであろう美術・博物館に対するイメージをひっくり返してくれます。美術・博物館の持っている公共性の部分よりも商業性の部分の方が前面に出ているように私には感じられました。バックヤードや学芸員さん達は違いましたが、その他多数いる制服の従業員さんの態度はどう考えても「お客様!」という感じ。近代美術作品のような吊橋と綺麗な風景に、ガラスを多用した明るい吹き抜けのエントランスも相まって、異空間というか、ある種の商業施設に来たかのような印象を受けました。入館者の集まり具合を見る限り、この美術館が商業的にある程度成功しているのは間違いないだろうと思います。
それから、肝心の展示品なのですが、少し中途半端な印象を受けました。「美しいもの」を集めたということらしいのですが、一貫性がないというか、テーマが見えないというか…学芸員の方もどうやって展示しようか非常に困ったとおっしゃっておられたくらいです。所謂「集まっちゃった」型の美術館なわけですが、見ていて疲れます。アケメネス朝時代のペルシャの装身具とか確かに美しいことは美しいんです。でも、その他のコレクションが南アジアの仏像だったり、ギリシアローマの浮彫だったり、殷の青銅器だったりするわけですよ。私はどうしてもその物が使われていた場所や時代、方法など色々と想像しながら見てしまうタイプなので、純粋にその物の美しさだけを楽しむことができませんでした。同時代のモノを集めるとか、同系統のモノを集めるとか、もっとこう博物館的な展示をして欲しかったです。建物や景観といったハード面とサービスが素晴らしかっただけに、コレクションが微妙だったのが残念でなりません。
以上が直接的な感想で、以下感じた、考えたことをつらつらと書きたいのですが眠気が勝っているので、明日続きを書きます。
このミュージアム、山の中にあるだけあって緑が綺麗。おまけに建物や従業員の対応がホテル風。まず駐車場に着くと、整備員のお兄さんが丁寧に誘導してくれます。駐車場から少し石段を上がるとレセプション棟とかいう建物があって、そこにはレストランやショップがあり、そこでチケットを売っていました。レセプション棟のロータリーから伸びる、新緑の枝垂桜に囲まれた一本道を電気自動車に乗せられて(徒歩でも行けます)進み、トンネルを抜け、半吊橋を渡るとようやく美術館棟が見えます。なかなか景色の素晴らしい所です。この間、電気自動車を運転していたお姉さんに「お客様」と呼ばれひどく違和感を感じました。加えて、今日が休日だということを差し引いても多い入館者数にはびっくり。通常の人が抱いているであろう美術・博物館に対するイメージをひっくり返してくれます。美術・博物館の持っている公共性の部分よりも商業性の部分の方が前面に出ているように私には感じられました。バックヤードや学芸員さん達は違いましたが、その他多数いる制服の従業員さんの態度はどう考えても「お客様!」という感じ。近代美術作品のような吊橋と綺麗な風景に、ガラスを多用した明るい吹き抜けのエントランスも相まって、異空間というか、ある種の商業施設に来たかのような印象を受けました。入館者の集まり具合を見る限り、この美術館が商業的にある程度成功しているのは間違いないだろうと思います。
それから、肝心の展示品なのですが、少し中途半端な印象を受けました。「美しいもの」を集めたということらしいのですが、一貫性がないというか、テーマが見えないというか…学芸員の方もどうやって展示しようか非常に困ったとおっしゃっておられたくらいです。所謂「集まっちゃった」型の美術館なわけですが、見ていて疲れます。アケメネス朝時代のペルシャの装身具とか確かに美しいことは美しいんです。でも、その他のコレクションが南アジアの仏像だったり、ギリシアローマの浮彫だったり、殷の青銅器だったりするわけですよ。私はどうしてもその物が使われていた場所や時代、方法など色々と想像しながら見てしまうタイプなので、純粋にその物の美しさだけを楽しむことができませんでした。同時代のモノを集めるとか、同系統のモノを集めるとか、もっとこう博物館的な展示をして欲しかったです。建物や景観といったハード面とサービスが素晴らしかっただけに、コレクションが微妙だったのが残念でなりません。
以上が直接的な感想で、以下感じた、考えたことをつらつらと書きたいのですが眠気が勝っているので、明日続きを書きます。
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